【2011年7月1日 江戸城訪問レポート】
太田道灌の銅像
太田道灌の銅像
 1457年、太田道灌が主の上杉持朝に江戸城と川越城の二つの城の築城を命ぜられた。 完成後、主は川越城、家来の道灌が江戸城の城主となったというのだから、現在日本の中心である東京は、約550年前は川越に従う土地だったということである。 ここが後世、京都に代わる都となり、そこに主を差し置いて自分の銅像が立つなどと道灌は考えもしなかったに違いない。 そんな人生もあるのかと、実に愉快な気持ちにしてくれる。 それに引き替え、在任中に千年に一度という歴史に残る大災害に見舞われ、無能ぶりが際立ってしまった不運な彼の方は御気の毒だ・・・。 平時なら漢字が読めないバカ首相でも2年で忘却されるのに、大震災の記録の一部として「時のダメ政治家」として長く語り継がれるであろうから。
 13時33分、左の写真を撮影してから江戸城(現在の皇居)へ向かった。 日本100名城のスタンプが楠公休憩所にあるというので、二重橋への途中にある楠公レストハウスや銅像そばの売店に立ち寄ったが、ここではスタンプを見つけることが出来なかった。 北の丸公園で探せばいいやと、早々にあきらめて二重橋へ向かった。
二重橋   正門
二重橋   正門
坂下門
坂下門
 二重橋前に着いたのは13時55分。 たぶん平日だからであろう、観光客は少なめ。しかも、中国人のグループばかり。 太平洋戦争で日本の軍人が神と崇めた天皇陛下は、彼らにとって憎き存在ではなかったのか。 その天皇陛下が住む皇居を見学に来るだけも不思議なのに、そこではしゃいでいるのはなぜなんだろう?。 終戦記念日の頃になると玉音放送とセットで二重橋前の皇居外苑で泣き崩れる人々の映像をよく目にするが、同じ映像を中国共産党が日本敗戦の宣伝にでも使っているのだろうか。 それとも単に反日教育を受けていない台湾・香港の人たちなのだろうか。 残念ながら、音で中国語であることはわかるが、言葉としては全く理解できないのでどのような人たちなのかは全くわからない。
 正門・二重橋をスタート地点として、反時計回りに江戸城(皇居)の一周を開始。
桔梗門
桔梗門
 300メートルほど歩くと、坂下門がある。 ここで道は右へ曲がる。 すぐに道は左に曲がり、蛤濠越しに坂下門の写真を撮った。
そこから100メートルほど先に桔梗門がある。 桔梗門手前で道は右へ曲がる、200メートル弱で内堀通りにぶつかり、そこで左折。 ここから先は、公道の歩道を歩く。
 少しばかり歩くと、桔梗濠越しに石垣の修理をしているのが見えた。 その先にある、大手門でも白壁が剥がれているところが見受けられた。 たぶん、3.11大震災のせいなのだろうか。
 そんなことより、大手門から皇居東御苑に入れると思っていたのに、門が閉まっていたことがショック。 これも震災のせいかと気を取り直し、大手門を通過して内堀通りを先に進む。 大手門通過時刻は、14時13分。
工事中の石垣   大手門
工事中の石垣   大手門
平川門
平川門
 大手門から内堀通り沿いに650メートル程歩き14時22分に平川門まで来た。 ここも閉まっているが、月曜日と金曜日は皇居東御苑休園との張り紙を見つけた。 震災による休園ではなかった。 単に今日が金曜日だからだった。 完全な予習不足。 しかし。ビジネスシューズで皇居一周という元々が無謀な計画であり、結果的には歩く距離が減って助かった。
 堀沿いに歩いていたら、いつの間にか内堀通りから外れ、14時32分、北桔橋門に来た。 門に向って、真後ろに自動車専用道の出口があり、しかも、北の丸公園も後方向との道案内があり、方向感覚を失って地図を確認。
北桔橋門
北桔橋門
 北の丸公園に行かなければ100名城のスタンプを押せないので、歩道橋を渡り道案内の方向へ進む。
 歩き始めてから蒸し暑さはどんどん増して、北の丸公園に来た頃には、雲行きも怪しくなってきた。 とにかく早く、スタンプを押さなければここまで来た意味がないと気持ちが焦る。 しかも、北の丸公園は広く森の中で遠くが見えず、どこに休憩場があるのかと不安も募る。
 公園に入るとすぐに、科学技術館があった。 30年以上前、学生の頃に見学したことがある。 就職後も、ここで会社のサービス展示会が開催されて、説明員として何度か来たことがある。 これも10年以上前のことである。 そう言えば、その時以降北の丸公園には来ることがなかった。
科学技術館   日本武道館
科学技術館   日本武道館
田安門(内側)
田安門(内側)
 公園内を歩くこと数分で休憩場は見つかった。 公園地図の掲示板は無く、施設の方向を教える矢印掲示も見当たらず、こんな所ではいつも遠回りしてしまう感の悪い人間なのだが、今日はついている。 スタンプもすぐに見つけた。 記念すべき、100名城一つ目のスタンプをゲット。 スタンプと言うと観光地とかによくある直径10センチ位の大きなものを想像してしまう。 パスポートに押される日本の出国スタンプより少し大きい程度で、想像していたよりだいぶ小さい。
 とりあえず最低限の目的を達成して一安心。 休憩場の自動販売機でスポーツドリンクを買って水分補給して一息入れる。 休憩場の前に日本武道館があった。 実は、自分はここに入ったことがない・・・。 この年まで入らなかったのだから、その記録を一生伸ばしてみようかと思ったりする。 武道館の先には田安門がある。 田安門に着いたのは14時45分。 ここを出ると、靖国通りで、道路の反対側には靖国神社があった。 ここでパラパラと雨が降り出し、本降りになる前にとあわてて目の前にあったコンビニでビニール傘を買った。
半蔵門   桜田濠
半蔵門   桜田濠
 千鳥ヶ淵沿にはボート乗り場や、戦没者墓苑があった。 雨は時折パラパラ降る程度だが、遠雷が鳴り始めつい早足になる・・・とは気持だけで実際はスピードを上げるほどの体力が残っていなかった。
 15時11分に半蔵門を通過。 その先には、深い谷を河がゆっくりと流れているかのような桜田濠の雄大な景色があった。 しかし、夕立が来ないうちに歩き終わりたいという焦りが先立ち、立ち止まって景色を楽しむ余裕を無くしていた。
桜田門
桜田門
 15時25分に桜田門へたとり着いた。 門の正面には、警視庁のビルが建っている。 本当に真正面で、警視庁が「桜田門」の別名を持つことも納得できる。 しかし刑事ドラマとかの映像に比べ、実物は小さく感じる。 人間の目では、警視庁だけ拡大して見ること(ズーム)はできず、周囲の建物も目に入るので相対的に小さく感じるのだろう。 やはり、自分が現地へ行って、自分の目で実物を見なければ、本当の姿を見たことにはならない。
 15時31分、一周歩き終え再び二重橋へ戻ってきた。 所要時間、1時間半ちょっと。 雨は本降りとなることはなく、結局、ビニール傘は無駄な買物だった。
 たくさんある門の写真を撮るだけで終わったが、100名城踏破の暁には、記念すべきスタート訪問として思い起こすことだろう。 色々と障害はあるが、100名城訪問を是非完遂したい。